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文禄・慶長の役

朝鮮の官制その2 外官-陸軍・水軍、地方行政

官位相当表 外官

陸軍 水軍 全羅左水営の例 地方行政 有事の際の
臨時職
武官 行政官
正一品 都体察使宰相兼任、軍務管掌)
体察使
従一品
正二品 都元帥(朝鮮全軍統括)
水軍統制使(水軍統括)
巡察使(観察使兼任、軍権統括、巡使とも)
防禦使(従二品)
招諭使(義兵を募る)
義兵将
従二品 兵馬節度使(兵使) 観察使(八道長官、知事に相当)
府尹(州・府長官)
正三品 兵馬節制使 水軍節度使(水使) 全羅左水使(チョルラサスサ) 大都護府使・牧使(州・府、市長に相当)
従三品 兵馬僉節制使
兵馬虞候
僉使 蛇渡鎮僉使
防踏鎮僉使
順天府使
長興府使
大護府使(州・府)
正四品 虞候 全羅左虞候
従四品 兵馬同節制使 万戸(マノ。統率する民戸の数を起源とする水軍の官職名) 呂島鎮万戸
鹿島鎮万戸
鉢浦鎮万戸
会寧浦鎮万戸
馬島鎮万戸
達梁鎮万戸
楽安郡守
宝城郡守
霊巌郡守
郡守(郡・県、郡長に相当)
正五品
従五品 都事(八道)
判官(州・府)
県令(郡・県)
正六品
従六品 兵馬節制都尉
監牧
光陽県監
興陽県監
康津県監
県監(郡・県、町村長に相当)

解説

この表は文禄・慶長の役(壬辰・丁酉倭乱)に登場してくる朝鮮の外官をスパッと理解する為に要点を絞って作りました。京官についてはこちらをご参照ください。

水軍

文禄・慶長の役で朝鮮水軍の将として活躍した李舜臣李舜臣は、水軍節度使(水使)と呼ばれる朝鮮水軍司令官で、全羅左水営という海岸防衛の軍事施設の長官だった為、全羅左水使と呼ばれています。

また、李舜臣と同じく水軍節度使(水使)の元均は慶尚右水営の長官だった為、慶尚右水使と呼ばれています。水使の下には、僉使、虞候、万戸らが続きます。

水営の中には武官だけでなく行政官もいます。戦争がはじまると全羅左水営を例に挙げれば李舜臣の指揮の元、行政官=文官の府使はじめ郡守以下も武官と共に力を合わせて日本軍を撃退しました。

文禄の役(壬辰倭乱)では李舜臣は全羅左水使でしたが、慶長の役(丁酉再乱)では慶尚・全羅・忠清三道をまとめる三道水軍統制使となって再び日本軍に挑みました。

陸軍、地方行政と臨時職

陸軍の権慄は文官で、全羅道光州牧使から小早川隆景小早川隆景軍撃退の功により全羅道観察使、更に朝鮮全軍 最高司令官・都元帥に任命されました。但し都元帥は有事の際の臨時職です。

秩序整然とした朝鮮の組織体制も豊臣秀吉豊臣秀吉の出兵という危機的状況となれば、文官・武官もへったくれもなく、日本軍を撃退した者はどんどん昇進させ、有事の際の臨時職に当てていくというのがこの戦乱中によく見受けられます。

また、有事の際の臨時職なるものは、品階がはっきりしない場合が多く、元々あったいうよりは壬辰・丁酉倭乱の際に臨時に設けた職あるいは称号も多いかと思われます。

例えば、郭再祐は科挙不合格者のプー太郎ですが、義兵を起こし活躍すると朝廷から義兵将としての称号を与えられました。義兵将なんて、この戦争以外まず存在しないというか現れないでしょう。

更に郭再祐は義兵将からこれまた臨時職の慶尚左道防禦使なるものに任命され、戦争が終結した一年後には慶尚道兵馬節度使(従二品)に任命されました。科挙はどこへやらの臨機応変な朝鮮王朝です。

  

関連トピック

文禄・慶長の役

相関図

朝鮮・明連合軍文禄の役 日本軍慶長の役 日本軍

概要

文禄・慶長の役とは

地図

東アジア各国関係図朝鮮八道色分け地図文禄の役 日本軍進路

慶長の役 日本軍進路図倭城とは 分布図と一覧合戦地図

年表

文禄の役 略年表慶長の役 略年表

朝鮮国

朝鮮の官制その1 京官/その2 外官-陸軍・水軍、地方行政/朝鮮王朝の党争

明国

明の官位相当表

日本国

文禄年間 全国の諸大名配置図九州中国・四国近畿東海・北陸東日本

慶長前期 全国の諸大名配置図村上水軍とは 前編後編

戦後

日朝国交回復年表

朝鮮国 人物

王室:宣祖光海君/朝廷:柳成龍金誠一/陸軍:権慄金時敏沙也可

水軍:李舜臣李舜臣元均/義兵将:郭再祐/学者:姜沆

明国 人物

万暦帝沈惟敬李如松楊鎬陳璘

参考文献

北島万次『豊臣秀吉の朝鮮侵略 (日本歴史叢書) 』(吉川弘文館、1995年)

北島 万次『秀吉の朝鮮侵略と民衆 (岩波新書) 』(岩波書店、2012年)

柳 成竜 (著), 朴 鐘鳴 (翻訳)『懲毖録 (東洋文庫 357)』(平凡社 、1979年)