部署・品階表
備辺司 | 承政院 | 義禁府 | 司憲府 | 司諫院 | |
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ピビョンサ | スンジョンウォン | ウィグムブ | サホンブ | サガンウォン | |
비변사 | 승정원 | 의금부 | 사헌부 | 사간원 | |
NSC(国家安全保障会議) | 宮内庁 | 裁判所 | 検察庁 | 野党 | |
正一品 | 都提調(トチェジョ,도제조) | ||||
従一品 | 提調(チェジョ,제조) | 判事(パンサ,판사)1人 | |||
正二品 | 〃 | 知事(チサ,지사)1人 | |||
従二品 | 〃 | 〃2人 | 大司憲(テサホン,대사헌)1人 | ||
正三品(堂上官) | 副提調(プチェジョ,부제조) | 都承旨(トスンジ,도승지)1人ほか4人[註] | 大司院(テサグァン,대사간)1人 | ||
正三品(堂下官) | |||||
従三品 | 執義(チペ,집의)1人 | 司諫(サグァン,사간)1人 | |||
正四品 | 掌令(チャンギョン,장령)2人 | ||||
従四品 | 経歴(キョンレキ,경력)都事含む10人 | ||||
正五品 | 持平(チピョン,지평)2人 | 献納(ホンナプ,헌납)1人 | |||
従五品 | 都事(トサ,도사)経歴含む10人 | ||||
正六品 | 監察(カムチャル,감찰)13人 | 正言(チョンオン,정언)2人 | |||
従六品 | 郎庁(ナンチョン,낭청)12人 | ||||
正七品 | 注書(チュソ,주서)2人 | ||||
従七品 | |||||
正八品 | |||||
従八品 | |||||
正九品 | |||||
従九品 |
補註
- 承政院 正三品(堂上官)都承旨1人、左承旨(チャスンジ,좌승지)1人・右承旨(ウスンジ,우승지)1人、左副承旨(チャプスンジ,좌부승지)1人・右副承旨(ウプスンジ,우부승지)1人
組織・業務
備辺司は議政府(内閣)同位、承政院・義禁府・司憲府・司諫院は六曹(行政事務)所管外の最主要機関。
- 備辺司(ピビョンサ,비변사):中外の軍国政務を監督する最高行政官庁。NSC(と言っても吉本の方でなく)国家安全保障会議のような機関。1510年(永正七)の三浦の乱の時に設置され、のちに常設。このような経緯もあって、従六品郎庁以外は特に定員というのは定められていないが、都提調は議政が兼任、副提調は吏・戸・礼・兵・刑・工の判書らが兼任。
- 承政院(スンジョンウォン,승정원):王命の出納を掌る。国王の秘書官。略称・政院。
- 義禁府(ウィグムブ,의금부):王命による重罪人の尋問を掌る。
- 司憲府(サホンブ,사헌부):時政を論じ、百官を尋問、詮議する。司憲府・司諫院・弘文館は言論三司(オルロンサムサ,언론삼사)と呼ばれ、権力独占を防止する。
- 司諫院(サガンウォン,사간원):政治の過失・百官の過ちを咎め、論駁する。儒教で諫言はあって然るべきで、これができないなら「具臣といふべし」(論語,先進24)。司憲府と司諫院の総称を台諫(テガン,대간)と言う。
MEMO
「ヘチ 王座への道」は司憲府(サホンブ)の活躍を描いた韓国時代劇。大司憲の胸背は、善悪の判断ができる想像上の動物・ヘチ(獬豸,해치)です。現在はソウルにある宮殿・景福宮(キョンボックン,경복궁)正門の光化門(광화문,クァンファムン)前にヘチが配され、火災から宮殿を守っています。
このドラマには出てきませんが、文禄・慶長の役で活躍した領議政(宰相)柳成龍は大司憲(テサホン)、都元帥(司令官長)権慄は監察などを歴任しました。
参考文献
- 北島万次『豊臣秀吉の朝鮮侵略』(吉川弘文館、1995年)