書籍情報
豊臣秀吉の朝鮮侵略(日本歴史叢書)
紹介文
北島万次先生は、文禄・慶長の役の専門家。
私がこれを書いている現在は平成二八年(2016)一二月ですが、私がここ数年で一番目を通した本が本書であり、目がつぶれるくらい読んだといっても過言ではありません。
というのも文禄・慶長の役を全く知らない人が、読むには難易度が高く、数週間で通読するような本ではないからです。
然しながら写真や地図、表を交えながら、日本軍VS朝鮮・明連合軍との数々の戦争を懇切丁寧に解説しているので、慣れてくるとこれほどわかりやすい本もありません。また、随所に散りばめられた当時の人々の生の声やエピソードの紹介には胸撃たれます。
陰ながら本書を貫いているのが、降倭・沙也可。本書には小西行長・加藤清正、李舜臣、李如松・沈惟敬など日・朝鮮・明の様々な武将や文人らが登場しますが、沙也可の存在がほのかなアクセントになっている、そんな北島先生ならではの話の進め方も軽妙洒脱。
先生の遺作である豊臣秀吉 朝鮮侵略関係史料集成の解説、あるいは一冊にまとめた本とも言えそうです。