家紋の由来
エピソード
荒木村重が信長に謀反を起こし、その説得にあたった黒田官兵衛。しかし説得する所か村重の城に閉じ込められました。
窓の外から見える、日ごとに大きくたくましく育ってゆく藤蔓(ふじづる)。そんな藤蔓に励まされ、つらい獄中生活に耐えていた官兵衛は、村重の城から出た後、黒田氏の家紋を藤巴に選んだのでした。
蛇に見える理由
ところで私は民俗学者・吉野裕子『蛇』(講談社、1999年)を読んでハッとしました。藤巴は藤以上に蛇が絡み合っている姿に見える――と。
古代日本人が蛇に見立てた植物は、蔓植物ないしその形状の植物であり、藤もその一つだと吉野は言います。日本は縄文時代から蛇信仰があり、蛇に相似のものを蛇に見立ててそれを信仰し神聖化していました。その傾向は戦国武将にも受け継がれ、蛇を象った家紋は蛇の目、三つ巴などがあります。
巴とは、どぐろをまく蛇を象った文字で、蛇・渦巻きの意味。よって藤巴は、藤×巴の組み合わせた、蛇を非常に強く意識した家紋と言えるでしょう。
黒田氏:福岡藩
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