黒田氏:くろだし

豊前の豊臣大名、近世の大名(外様)。宇多源氏。京極満信の次男・宗満が鎌倉時代末期、近江(滋賀県)伊香郡(いかぐん)黒田村に住んで黒田氏と称しましたのに始まります。
黒田高政は、備前(岡山県)守護・赤松義村(1472-1521)に仕えたといいますが、この間約二〇〇年の系譜ははっきりしません。筑前福岡藩初代長政は遺言によって、嫡男以下に同藩領から秋月・東蓮寺両藩を分知して与え、子孫あいつぎ幕末に至りました。
系図
- 小寺重隆(しげたか):高政の子。播磨(兵庫県)に移る。
- 黒田職隆(もとたか):重隆の子。赤松氏の一族で播磨御着(ごちゃく)城主・小寺政職(まさもと)に仕え、支城姫路城の城代となり小寺姓を許される。
孝高(よしたか):官兵衛。職隆の子。文禄・慶長の役に出兵、子の長政は同役準主役。
筑前福岡藩
秋月・東蓮寺藩
- 長興(ながおき):長政三男。父の遺言により、福岡藩領から五万石分与され、筑前秋月藩初代。
- 高政(たかまさ):長政四男。父の遺言により、福岡藩領から四万石分与され、東連寺(とうれんじ)藩初代。
参考文献
- 小和田哲男「黒田氏」左同(監修)左同・菅原正子・仁藤敦史(編集委員)『日本史諸家系図人名辞典』(講談社、2003年)274-275頁