解説
小西行長の家紋は、祇園守(ぎおんまもり)紋のカテゴリに属します。
また行長の紋は、糸車とも中結祇園守(なかむすび-ぎおんまもり)とも言われてます。ちなみに立花宗茂も、小西のものとは細部が違う祇園守紋を使用。洗練されたデザインですが、盟友石田三成の大一大万大吉と並んで、何じゃこりゃ?と首をかしげたくなります。
祇園守紋は京都の八坂神社が出すお守札をデザインしたものですが、実態は謎に満ちています。家紋研究家の丹羽基二氏が著作[註]の中で、八坂神社へ実際に行って札所で祇園守紋について尋ねてみた時のエピソードは下記の通り。
「ゴズ天王の頭の飾りだそうですが…」「ゴズ天王ってなんですか」「それがまずわからない」
閑話休題。祇園守紋が"隠れキリシタンの紋"だと聴けばどうでしょう? 行長はキリシタン大名ですから、あ、成る程と思います。真ん中の交差する巻物のようなものを十字架に見立てています。かくして祇園守紋はとりあえず"隠れキリシタンの紋"もしくは"ゴズ天王の頭の飾り"と覚えておきましょう。(笑)
ところで行長は文禄の役先鋒で韓流時代劇『不滅の李舜臣』にも登場することあり、韓国では祇園守紋より軍旗の方が知られているような気がします。併せてご参照ください。
小西行長
補註
丹羽基二『家紋逸話事典』(立風書房、1995年)
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