解説
島津義弘の筆文字の十の紋は、呪符紋カテゴリに属します。呪符紋は他に、丹羽長秀の直違や小西行長の糸車などがあります。これらは、お守りとか予言能力、超能力的な意味があったり一切が不明で謎のものもあります[文献1]。
島津氏の紋は筆文字の十であったらしく、鎌倉初期から使われている古い紋で、キリスト教とは無関係。しかし関ヶ原前後、キリスト教との関係を取沙汰されることを避けるため、轡(くつわ・円中に十字をおいた形)化したという説があります[文献2]。
また「十」は、十全の威力を示す護符の意味が込められています[文献3]。
参考文献
- 丹羽基二『家紋逸話事典
』(立風書房、1995年)
- 谷口克弘・伊澤昭二・大野信長『図説・戦国武将118―決定版
』(学研、2001年)
- 奈良本辰也 (監修), 主婦と生活社 (編集) 『戦国武将ものしり事典
』(主婦と生活社、2000年)