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戦国人物解説

柴田勝家(しばた-かついえ)賤ヶ岳の最期まで織田への忠誠を貫く猛将

目次

プロフィール詳細:1.一向一揆攻め 2.民政家として

3.お市の方と結婚 4.賤ヶ岳の戦い

相関図参考文献関連記事

プロフィール

柴田勝家
Katsuie Shibata

尾張(愛知県)出身。越前北ノ庄(福井県)城主。通称・権六。

織田家の顔とも言える猛将。

信長の妹であるお市の方と夫婦になり、お市の方の連れ子である三姉妹の淀殿お初お江の義理の父親となる。

槍働きだけでなく、北ノ庄の新田開発、道路の開墾など民政にも力を入れた。信長死後、賤ヶ岳で秀吉と対決するが――

享年62?(1522?-1583)同世代は武田信玄千利休

詳細

1.一向一揆攻め

織田信長勢力図_元亀年間
図1:織田信長勢力図_元亀年間

柴田氏は、柴田勝家勝家以前の家系の詳細がほぼ不明です。

勝家ははじめ、織田信長信長のすぐ下の弟・織田信行に属して信長と敵対していました。その後、信長に赦(ゆる)されて信長の家臣となり、永禄三年(1560)今川義元桶狭間の戦い、元亀元年(1570)浅井長政姉川の戦いに従軍。

顕如との石山合戦において、元亀元年(1570)伊勢(三重県)長島の一向一揆を攻めるも織田軍は敗北。翌年織田軍は再度挑むも、氏家卜全(ぼくぜん)は討死、勝家は負傷しました。

天正三年(1575)越前一向一揆攻めに功があり、同年北ノ庄(福井県)城主。同七年(1579)八月加賀の一向一揆は勝家によって滅ぼされ、同八年本願寺の降伏などがあり、翌年門徒三〇〇余人が磔刑に処せられました。

2.民政家として

信長から越前の支配を任された、北ノ庄城主の勝家。これには府中三人衆と言われる前田利家前田利家佐々成政佐々成政・不破光治が目付として配置され、相互監視の体制がとられました。

勝家は新田開発につとめ、検地を施行し、北国街道から柳ケ瀬(滋賀県)に通じる道路の開墾を行うなど、民政にも力を入れました。

また一揆に加わった門徒農民から没収した武器を農具に打ち直し、九頭意川の船橋をつなぐ鎖にしたようで、これは豊臣秀吉秀吉刀狩令の先駆という評価も受けています。

3.お市の方と結婚

東海・近畿地方_戦国時代地図
図2:東海・近畿地方_戦国時代地図

信長が明智光秀明智光秀に討たれた本能寺の変のあと、勝家は越後の上杉景勝上杉景勝と対峙。

そんな勝家と対象的に機知に富む秀吉は、毛利氏小早川隆景小早川隆景)と対峙していたにも関わらず、急ぎ京に向かって駆け出し、あっという間に山崎で光秀を倒してしまいました。

その後の尾張(愛知県)清州城で行われた信長の後継者を決める清州会議では、秀吉に主導権を奪われ、ここでも勝家は大きく水をあけられました。

然しながら信長三男・信孝の勧めで、浅井長政浅井長政の未亡人となっていたお市の方お市の方が勝家に嫁いできました。お市の方は信長の妹で、浅井長政との間にできた三姉妹淀殿茶々常高院お初崇源院お江も連れて来ました。

4.賤ヶ岳の戦い

信長の後継者をめぐって、天正一一年(1583)四月、近江(滋賀県)の賤ヶ岳(伊奈郡)において柴田勝家軍二万と秀吉軍三万が争いました。勝家軍は先鋒の佐久間盛政(勝家の甥)ほか滝川一益、佐々成政、信孝ら。

勝家は柳ヶ瀬付近、秀吉は賤ヶ岳を占拠して対峙。そのうち岐阜の信孝が挙兵し、秀吉が岐阜に向かいました。そこに佐久間盛政によって夜襲をかけられた、秀吉軍・中川清秀四二歳が戦死。かくして岐阜の秀吉は、物すごいスピードで転進、再び近江に向かいました。一方、タカをくくって本陣に戻らない盛政。

近江に着いた秀吉は全軍で反撃に移り、突撃してくる秀吉の大軍を見て盛政は慌てふためき逃げますが、部隊最後尾の柴田勝政(盛政弟)軍が追いつかれ、それが引き金となって盛政軍は総崩れに。

戦う前には、勝家軍の利家が秀吉と内通。勝政軍が崩れるのをなんとか盛政が躍起になっているとき、彼等の後方にいた利家軍が退却。このとき秀吉軍で大活躍したのが、福島正則加藤清正ら賤ヶ岳の七本槍でした。

勝家は敗走せざるをえなく、秀吉軍は敗走中の勝家本陣を側面から攻撃し、大打撃を与えました。家族待つ北ノ庄城に逃れました勝家でしたが、追撃してきた秀吉軍に城は包囲されました[地図2]。

勝家とお市の方は、まだ将来のある三姉妹を城の外に出し、秀吉方へ送り届けました。城の天守閣に火にかけた勝家は、お市の方とともに命を絶ったのでした。

柴田勝家 相関図

柴田氏

  • 父:勝義(かつよし)、母:?

養子

  • 勝久(勝家の妹の子)
  • 勝政(佐久間盛政の弟)
  • 勝豊(勝家の姉の子)

新たな家族

織田氏

越前支配

賤ヶ岳の戦い

参考文献

関連記事:柴田勝家