顔面学
本当に猿だったんだなと思わせる、有名な秀吉の肖像。いや人間だけど。細身でしわくちゃ。おまけに鼻の下が非常にのびていて、女好きであったことを証明しているようです。
秀吉の風貌は、領議政(朝鮮宰相)柳成龍著『懲毖録』に記されています。詳しくは、金誠一ら朝鮮通信使来日の様子をご参考ください。
さて秀吉が頭にかぶっている冠は、紗帽(サモ)と呼ばれる朝鮮官吏の礼帽と似ています。然しながらこれは、明皇帝が秀吉を日本国王として冊封した際に、冊封使・沈惟敬らによってもたらされたと個人的に考えています。皇帝が秀吉に常服を贈っているので、中国の礼として冠も贈らないと却って常服が着られないのです。
敵国官吏の帽子をかぶった天下人の肖像って意味不明ですが、それがまた秀吉らしさをよく表現しているように思います。肖像参考:高台寺 豊臣秀吉画像