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文禄・慶長の役

豊臣秀吉 朝鮮侵略関係史料集成(全三巻)

書籍情報

豊臣秀吉朝鮮侵略関係史料集成(全3巻)

編者:北島万次

出版社:平凡社、2017年

概要:文禄・慶長の役の日本、朝鮮、明側の史料を揃えた、量・質ともに充実した圧巻の大著。

紹介文

購入経緯

本書の存在に気付いたのは、遅ればせながら発刊から一年半以上も過ぎたころ。amazonでたまたま目にしました。購入にあたっては専門書のため、近くの書店や図書館に置いてるわけもなく、WEB上のレビューもほとんどなく、版元の公式HPを確認するくらいしかできませんでした。

専門家でもなく、金銭的ゆとりもない者が手を出すモノではないと数週間悩み、しかし北島万次という名に最初から心は固まっていたように思います。2019年初頭に思い切ってamazonでポチッ!

段ボール箱が届き、開封して、ずしりと重い本書を手に取りました。真新しい本の匂いと感触、緊張しながらページをめくってみて…卒倒しました。史料、史料、史料!ぎょええええ!!(サンシャインさん?)私はどうやら本の表題の「史料」を「資料」と勘違いしていたようでした。え

概要

本書は文禄・慶長の役の研究にその生涯を捧げた北島先生が、日本、朝鮮、明の史料の中から取捨選択、コツコツ長い年月をかけてお一人で編まれた本です。

史料といっても翻刻、すなわち活字で書いてあるので、くずし字を解読することはありません。が、古文書の類はくずし字解読と同等、それ以上に意味を理解するのが難しいです。

それにしてもこの本、どのようにして読むべきなのでしょうか。索引はありません。秀吉の朝鮮出兵の兆しが見える天正一三年七月から、時系列に史料がズラリと並んでいます。目次を頼りに辞典のように使えないこともないですが、それではどうしても小説をいきなり真ん中から読む、みたいになってしまいます。

というわけで、私は覚悟を決めて一ページ目から順を追って読んでます。(笑)

朝鮮王朝実録

本書の目玉はなんといっても、北島先生がお仲間の先生たちと大変苦労して解読された『朝鮮王朝実録』の翻刻。朝鮮王朝実録は、簡単にいうと朝鮮王朝の会議録のようなもので、国王臣下の会話文がそのまま現在まで漢文で遺っている(!)のです。しかもその質と量が前代未聞。

本書にある朝鮮王朝実録には、読み下し文とその原文(漢文)が掲載されています。個人で調べてもわからないような専門用語には、北島先生が基本的に注釈を施してくださっています。

豊臣秀吉の朝鮮侵略』あとがきに、朝鮮王朝実録も読めずに文禄・慶長の役を語ってくれるな、と言わんばかりに先達の先生に北島先生が叱咤激励されたエピソードがありました。それを聞いて(読んで)以来、私も何だか朝鮮王朝実録を読めていないことを引け目に感じていましたが、本書によって朝鮮王朝実録デビューできて有り難いです。

専門用語の例

朝鮮王朝実録に限らず、本書は章や節目ごとに掲載史料の概略や解説があり、史料の翻刻には注釈があります。解説や注釈は懇切丁寧というよりは(読者を信頼して?)必要最小限にとどめている印象。つまりは読者の根性が問われているわけですが、聞いたことのない単語や専門用語、名前が容赦なく出てきます。

  • 別幅(べっぷく):日本と明・朝鮮などとの間での外交文書に添えて出された献上物目録。
  • 啓下(계하/ケハ):朝鮮国王が民や臣下に与える命令書。
  • 車天輅(차천로/チャチョンロ):文官。金誠一と共に来日。その際、数千の詩を作って日本人を驚かせたらしい。

上記は本書に別段注釈がなかったものの、気になって調べて面白かった、ほんの一例。併せてwordで本書史料の現代語訳を作成、これを読み返して推敲なんかしているとホント、なかなか前に進まない…。(笑)

つまり、いまだ読了していない本を紹介していることを恥じ入らなければなりませんが、本書を通して戦国未満の記事をブラッシュアップするようになってきたので、あしからず。

北島先生が最後に遺された本書を全て読み終えて、ご冥福をお祈したいと思います。

  

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