解説
扇(おうぎ)は、あおいで風を起こす道具をいい、古くは今の「うちわ」をも含みます。もとは実用品でしたが、平安時代以降、礼装用の装飾品としても用いられました。
イラストは能「源義経」の出で立ち[文献2]で使われている扇を参考に描きました。
聚楽第で伊達政宗が諸侯に天正大判を披露。直江兼続も末座にて、扇で受け取り眺めました。遠慮かと思った政宗に、「軍配を執る手に卑しい金は触れない」と答えました。ちなみに津軽為信の幼名は扇です。
参考文献
- 北原保雄 編者『全訳古語例解辞典』(小学館 第三版、1997年)
- 観世喜正・正田夏子(著)、青木信二(撮影)『一歩進めて能鑑賞 演目別にみる能装束』(淡交社、2004年)13頁
- 小和田哲男 監修『ビジュアル 戦国1000人』(世界文化社、2009年)「日本史見聞録_直江兼続」155頁