解説
1.概要
蔽膝(ペスル,폐슬)は、膝を隠すために腰から垂らす長方形の布。
日本で蔽は「ヘイ」または「おおう」と発音し、覆いかくすの意味があります。則ち蔽膝は読んで字の如くです。
高麗時代末から朝鮮時代にかけて、国王の冕服や文官・武官の朝服や祭服などの前に垂らされました。
素材は当初は革でしたが、後に布になりました。
2.詳細
色
膝の前後を覆う布である裳(サン,상)と同じ色を用います。国王の蔽膝の色は裳と同じ赤。
四章紋
裳と同じ刺繍を施し、国王は九章紋のうち四章紋、藻(チョ)、粉米(プンミ)、黼(ポ/斧)、黻(プル/亞字紋)を二つずつ刺繍。
鉤
上部には大帯に取り付けるための鉤(かぎ)を二つ付けます。
3.メモ
形と身に着け方が腰巻エプロンのようです。勿体なくて、とてもじゃないけど手は拭けないけど。(笑)
参考文献
- 金英淑(編著)・中村克哉(訳)『韓国服飾文化事典』(東方出版、2008年)