解説
貫子(クァンジャ,관자)は、朝鮮男性のヘアバンド・網巾(マンゴン,망건)の左右に付いている小さな環です。直径は1.3~2.5cmほど。その素材により官吏階級を表しました。
『経国大典』(1484年完成)によれば、堂上官(正三品以上)は金・玉の貫子を付けます。堂下官(従三品以下)から一般庶民までは、骨や角などを使いました。
『五洲衍文長箋散稿』(17世紀後半)によれば下記のとおりです。
階級:貫子様式
- 一品:半玉環中
- 二品:金で朝顔、梅花、瓜花の文様
- 正三品:玉で朝顔の文様
貫子も胸背(ヒュンベ,흉배)同様、時代によって変化していることもあり、厳密にこの階級(品階)はこの貫子と言い当てることが難しそうです。
然しながら胸背や角帯と違って貫子は、品階が高いほど小型で簡素なものを用いました。
参考文献
- 金英淑(編著)・中村克哉(訳)『韓国服飾文化事典』(東方出版、2008年)
- 張淑煥(監修・著)・原田美佳 他(著・訳)『朝鮮王朝の衣装と装身具』(淡交社、2007年)