所属部署
朝鮮王朝の女官組織・内命婦(ネミョンブ)において、宮中の部署は国王・王妃の居室や寝殿を中心に、衣食住に関連する七つに別れました。
配属先の順位は所属の女官の格を表し、王族の身辺近くに従事する部署ほど高いです。最も高いのは至密で、針房・繍房と続きます。
1.至密(チミル,지밀)
国王と王妃の身辺保護および起居・寝・食・衣に関わる一切の世話と内殿(ネジョン,내전)の物品管理、食膳検査の内侍府(ネシブ,내시부)、調剤の内医院(ネウィウォン,내의원)、食品・饗膳管掌の典膳司(チョンジョンサ,전선사)などとの重要な交渉を担当。
国王の側近くに仕える至密尚宮(チミルサングン,지밀상궁)と至密の文書管理など担う侍女尚宮(シニョサングン,시녀상궁)は特別尚宮で、以下部署に所属する尚宮より格が高いです。
2.針房(チムバン,침방)
針房尚宮は至密尚宮次席。国王と王妃の衣服をはじめ、宮中の衣服を仕立てました。
3.繍房(スバン,수방)
宮中の服飾や装飾品に用いられる刺繍を担当する部署。対象は龍補(ヨンポ)から枕(ペゲ)、巾着(チュモニ)、屏風まで手掛けました。
4.洗手間(セスッカン,세수간)
国王・王妃などの朝晩の洗顔や入浴に使う湯水を準備。手ぬぐいなどの洗濯や器物の洗浄を担当。内殿の蔵にも出入りします。王妃が宮中に赴く際に、籠を担いでお供もしました。
5.生果房(セングァバン,생과방)
国王の食事(水刺,スラ)以外の飲料や菓子を作ります。
6.焼酎房(ソジュバン,소주방)
外焼厨房(ウェそジュバン)では宴会の飲食を調理し、内焼酎房(ネソジュバン)は平常時の飲食を担当。
7.洗踏房(セダッバン,세답방)
洗踏は洗濯を意味しますが、洗い物の仕上げまでを担当。国王と王妃の衣服の洗濯・砧打ち・火熨斗当て・染色などを担当しました。
参考文献
金英淑(編著)、中村克哉(訳)『韓国服飾文化事典』(東方出版、2008年)
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