解説
爽やかな譜代大名をイメージして描きました。
譜代大名とは、関ヶ原の戦い以前から徳川氏の臣であったもの、およびその家格に準ぜられたものを言います。しかし江戸中期にもなると、荻生徂徠『政談』によれば「御譜代・外様と云うも今は名ばかりで同じ事。」
幕府の行事や公務の際に着用する裃(かみしも)姿は、長裃(ながかみしも)・半裃(はんかみしも)・継裃(つぎかみしも)の三種類あり、イラストは長裃(通常礼装)に当たります。
上着の肩衣(かたい)は、袖がなく、家紋は前に二つ、後ろに一つ、三箇所についています。長裃の場合、下半身を覆うはきものの袴(はかま)は、長袴(ながばかま)を用い、足を包む形状で引きずって歩きます。江戸城中では、小刀のみを差します。大名や高家などの御目見え以上の武家の装いです。
参考文献
池上良太『図解 日本の装束 (F-Files No.018) 』(新紀元社 、2008年)「裃姿」84-85頁